修学旅行2日目の夜。
消灯後30分。
とある男子部屋で始まったのは、誰も予想しない“本気の恋バナ”だった。
すろたろう: (布団の中で小声で)
おい、みんな寝た?
かずき:なに?
こくまろ:なに?
すろたろう:なぁ、お前ら…正直に言うてみ?お前らが好きな台って、何や?
かずき、こくまろ:恥ずかしい…
しんどう: (スマホのライトをつけて)
はぁ??? 台って何やねん!修学旅行の夜なんやで純粋な恋バナせぇって!
なんでお前ら恥ずかしがってんねん!
すろたろう: (真剣な顔で)
いや、純粋やろ。俺はな…いろんな台と付き合うたけど、やっぱ最後に戻ってくるのはマイジャグや。
一見して地味やけど、あの自分だけに告白される特別感がたまらんのよ。
そんでビッグ揃えた瞬間ファンファーレなるやん?
周りの男どもが一斉に振り向いて、え?いつ付き合ったん!?いいなぁー。みたいな顔するときに優越感を感じるのよ。
あと他の派手な子と遊んでも、結局は安定感のある子がいいんや…
しんどう:マジで台の話やん。恋バナは?
かずき:ふっ、甘っちょろいな、すろたろう。
俺の嫁はヴヴヴや。
ハラキリドライブのあのひととき
あの一瞬に青春をかける。恋は刹那に落ちる。耐えて、耐えて、耐えてもう限界と思ってからのあのごほうび。脳汁ドバドバ…たまらんのよ…苦しくてもう嫌い、二度と顔を見ていたくないと思ってたのに、もう落ちてしまってるのさ。
恋は苦しいときを耐えてこそ、めちゃめちゃ厳しい台がふいに見せた優しさ。わかる?アリガトウゴザイ~マッス!
しんどう:お前もかよっ!
幽遊白書のオープニングソングみたいなこと言いやがって…さっき恥ずかしい言うてたお前どこ行ったん?
んで、お前絶対、悪い女に騙されるタイプやわ。搾り取られてるの!チミは!
1番危険なハマり方してるの!早く目を覚ましなさい!
こくまろ:俺は北斗やな。あいつツンデレでさ、剛掌波でオワタと思ってからの、「ケーン!!」ってリンたんがさぁ~(ぽっ)
もう、グッとくるよね。
ギュッてなんか心臓つかまれるんよ。
しんどう:「ぽっ」じゃねぇよ!幼女好きなんか?好きなんか?おん?ハートキャッチプリキュアみたいなこと言ってんで?
こくまろ:んで、無想転生に入ってくれた時のあのセブフラ音。たまらずスピーカーに直接、耳くっつけたわ。耳で恋しちゃったわ。あれは我が生涯に一片の悔い無しの恋だわ。
しんどう:それ、まともな恋してねぇよ。少しは悔いれよ。おめでとうございます。あなたはイカれポンチ確定です。アミバです。
すろたろう: (布団から上半身起こして)
おい!しんどうよぉ、お前さっきから、人の恋にぐちぐち、うるせぇなぁ!
お前はどうなんだよ?
お前も正直に言うてみ? 一番愛してる台
しんどう: (一瞬黙ってライトを自分の顔に当てて小声で)
…はぁ。…番長2や…
あの『押忍!』の轟ボイスで300G乗った時…
俺、ガチでズボン汚した…
全員: えっ…!?(全員スマホのライトをつける)
しんどう: (慌てて)
違う!! 鼻血や!! 脳汁出すぎて鼻血が出たんや!!!
すろたろう:
…お前、鼻血出るほど興奮したんか…いい恋してるやん。負けたわ。お前が優勝!
しんどう: (顔真っ赤にして)
もう寝るわ! 明日ディズニー行くのにこんな話してもうたら夢の中でミッキーが永遠に山登りするやんけ!
すろたろう:番長のAT中やん。
(ガラガラッ)
見回りの先生:おい、こら!お前ら〜まだ起きてたんか!
全員:やべぇ(スマホのライトを一斉にオフにする)
見回りの先生:消灯演出やん。アチィ〜


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